MOSAIC.WAVの新曲が実に興味深い
「ラストバトル! アキバトラー"μ"」の初回特典CD「***にできるかな」。
ニューシングルの店舗特典という形を取っているのだが、商用利用としても、およそ考え得る使用許諾の範囲を最大限に活かしているだけでなく、VOCALOIDをリードボーカルとして扱う場合の使用許諾の間隙をも突いた挑発的な内容だ。
初音ミク・VOCALOIDを前面に押し出していないのは当然。
ジャケットにはオリジナルキャラクタ「メロダロイド」の姿しかなく、アーティストのクレジットは「MOSAIC.WAV」になっており、歌い手はみ〜ことメロダ、そしてボーカロイドとのユニット「MMM」
となっている。このボーカロイドという文言もこのページにしか出てこない。本題とは関係ないが、ヤマハの商標として登録されているのは「VOCALOID」「ボカロイド」「ボキャロイド」であり「ボーカロイド」ではない。
CDのジャケットには作詞作曲者と並んで「歌:MMM」としかクレジットされておらず、MMMについての解説はない。
そしてこのユニット形態というのが肝である。
ユニット故にボーカルパートを3人(3声?)で分けるため、初音ミクが「パートの大部分を構成」しているとは言えない状態になっている。ついでに、
(d) 合成音声によって楽曲のリードボーカル・パートの大部分が構成されており、”歌手”として合成音声がメインの「アーティスト」にクレジットされている録音物や、人間ではなく機械、テクノロジー、VOCALOID、本VOCALOID 製品のタイトル、”バーチャル・シンガー”、”バーチャル・アーティスト”といった類のクレジットのある録音物を商用目的でリリースする場合。但し、実在する人間がその「アーティスト」にクレジットされている作品内での合成音声の使用は、追加使用許諾を取得することなく本契約の下で許可されています。
機械と人間のメロディという許諾上微妙なサイト上の宣伝文句も、実在する人間がその「アーティスト」にクレジットされているため、クリアされていると言っていいだろう。
ちなみに「***にできるかな」の伏せ字部分は曲中にて明かされる。なんでもない他愛ない一言だが、深読みしたがりな人間にとっては、この時期にあえて伏せ字にしてみせたところが憎い。