真相報道バンキシャ!の町興し特集で登場した仙台から来たAさん(40)の行動が不自然


7月25日の放送を見てその場の勢いで一気に書き、そのあまりのくどさに自分でもこれはどうかと思い、没にしようかといろいろ迷ってたが、一応報道機関っぽい場所から記事が出たのを見て、あの日、実際に熱海で取材を受けた一人として言っておいた方がいいんじゃないかと正当化できそうな気がして来たので書き残しておく。

なぜかニンテンドーDSではなくiPod touch

一番目の謎。
熱海駅観光案内所(コンシェルジェ)で「ラブプラス+」の“カノジョ”を見せることでスタンプラリーのシート(シート裏面に印刷されている地図(PDF))をもらうことができる。
しかしVTR中で登場するのはiPod touchを持った姿のみ。DSが登場するのはスタジオに戻って、特集のまとめに入る場面のみ。VTR中にはまったく登場しない。シートを持っていることからニンテンドーDSを所持しているはずなのに。ちなみにシートをもらうシーンそのものもVTRにはない。

ロープウェイのキャンペーン割引サービスを受けていない

二番目の謎。
ロープウェイに乗る際、「ラブプラス+」の“カノジョ”を見せると、往復500円のチケットが400円になる割引サービスが実施されている。
キャンペーンの実例として紹介してもいいはずなのに、なぜか正規料金で乗車している。ちなみに地元静岡のローカル局あさひテレビでキャンペーンが紹介された際には、実際にDSの“カノジョ”を見せて割引適用を受けている姿が流れている。
以上から、実はニンテンドーDSを持っていないのではないかという疑念が生じる。
コンシェルジェは金銭収受の生じない無料サービスなので、iPod touchラブプラスiで「おまけ」してもらったが、ロープウェイは商売であるが故、番組の視聴者に真似されると困るなどの理由で譲ってもらえなかったのではないか、などと。

町興しがテーマなのに地元商店の声がない

もっとも伝えたいはずのテーマからぶれている点。
地元のキャンペーン協賛店舗では、熱海限定のラブプラスグッズの販売やARマーカーの設置がなされていて、キャンペーン参加者の誘導を狙っている。この辺りにはいっさい触れられていない。ナレーションバックに一瞬それらしき店舗内での映像が映るが、どこの店舗かの特定すら難しい程度のもの。それだけだ。地元売店のインタビューの絵はロープウェイのそれのみ。
不況のあおりを真っ先に受けるであろう地元の小さな商店を無視して、ロープウェイのような「分かりやすい観光スポット」だけに着目するのは、町興しの観点から見ると物足りなさが残る。
ちなみにくだんの地元ローカル局の場合は、田原本町の丸福高橋名産店にインタビューを敢行している。全国ネットの報道番組としては詰めが甘いのではないか。

なぜかラブプラス温泉饅頭の価格が1000円

どうでもいい重箱の隅な話。
キャンペーン当初、各グッズの価格表示で消費税の扱いが統一されておらず、税込・税抜価格が混在してしまっていた。温泉饅頭1000円は税抜きの価格であり、税込1050円となる。
しかし今はすべて税込価格で統一されている。その他の缶バッチやお守りは税込価格で購入しており、矛盾している。この観光でかかった総費用を10円単位で発表している割りにはいい加減な紹介だ。
ちなみに地元ローカル局の場合はきちんと税込価格で報じている。どうにも脇の甘さを感じる。

大野屋でとって置いた部屋が和室ではなく洋室シングル

大野屋では和室を予約する際「ラブプラスで泊まります」と予約時に伝えると布団を二つ敷いてくれるサービスを行っている。
彼は「自分の手違いで」と言い訳したが、改めて考えると、本当にラブプラスが目的で予約時にそう伝えたのであれば、ホテル側から確認の問い合わせが入ってもおかしくない。大野屋は素泊まりウン千円のビジネスホテルではなく、観光ホテルである。大野屋は客の勘違いに声もかけてくれない、サービス今一歩の残念なホテルであるとホテル予約サイトのレビューについてしまう手落ちである。
あるいは確認の問い合わせはなされたが空室がなく、彼もそのままキャンセルしなかった、という可能性もある。しかしこの下りに必要なのは実際に布団を二つ敷いてもらっている客の映像だ。iPod touchに布団を譲り、自分は床で寝る、というオチはコントじみており、もはやドキュメントというよりバラエティの領域である。町興しという大義名分を出しに、「オタクの生態」を面白おかしく報じるというのが本題だったようだ。

ニンテンドーDSではなくiPod touchだと何がおかしいのか

最大の違いは両者が完全に別物であるということ。
前者はゲーム、後者はゲーム要素の一切ない単なる喋る時計。決まったセリフと時報しか言わないキャラを、彼女と言い張るまで入れ込むのはさすがに理解に苦しむ。
ラブプラスが他の恋愛シミュレーションゲームと一線を画すのは、プレイヤーの選択に基づいてキャラの服装・髪形・性格が何通りにも分岐する点だ。しかしラブプラスiにその機能はない。常時デフォルトビジュアルで、時間帯に応じ服装の変更がなされるだけ。
その他にも、前述のスタンプラリーのシートを受け取れない、ロープウェイで割り引きサービスを受けられないなどの他にも、DSのすれちがい通信ができない点が上げられる。
すれちがい通信最大の壁は、同じゲームをプレイ中の他のユーザーと接触する機会、確率が稀少である点だ。よって楽しみたいプレイヤーは少しでもその確率を上げようと、秋葉原ヨドバシAKIBAなどに集まったりする。キャンペーン真っ最中の熱海もこの点では好条件が揃っている。この機会を逃すのはあまりに勿体ない。
しかし、興味のない層に取っては両者の違いなどどうでもよく、両者の区別がつくのはよく知っているごく一部であろう。この錯誤を利用していると思われる。

スタジオで宮本亜門がプレイしていたソフトのデータがかなり初期の状態

これは完全な余談。
ラププラスでは、ゲームパートが友人パートと恋人パートに分かれている。友人パートは王道の恋愛シミュレーションゲームであり、真価というか独自性が発揮されるのは恋人パートからである。画面に映った範囲内では、恋人パートになると出現する「ラブプラスモード」のアイコンがなく、まだ友人パートの段階であることが分かる。