惑星が増えるらしい

要は、惑星の基準に明確な直径(質量)の制限を設けた上で、どう見ても惑星です本当にあ(以下略)な8個の惑星を古典的惑星(仮)(Classical Planets)と呼び、冥王星を含むエッジワース・カイパーベルト天体でめぼしい奴を冥王星族(仮)(Pluton)と呼びましょうという話らしい。
しかし、例の8惑星と冥王星を区別する方向で決まるとなると、市井の感覚としては、冥王星はいわゆるふつうの惑星ではないという印象が高まることになり、冥王星族は一般的な感覚の惑星という枠からは区別され、あるいははずされる方向になるのではとも思う。教科書などでは冥王星族は「冥王星とその仲間たち」のように取り扱われ、新惑星は注釈的な扱いになるのかも。新天体が発見されるたびに惑星がどんどん増えるよ、というのはやはり受け入れがたい。
むしろ今まで2分類だった惑星が3分類に、と考えたほうが分かりやすいか。

で、冥王星型惑星の代表格が冥王星(とカロンその他)、と。
惑星たる条件の基準が直径800kmになっているのも別の意味で問題がある。太陽系最大の小惑星とされてきたケレス(直径941m)も惑星に分類されてしまうことになる。しかし古典的惑星の間に新惑星が入り込むのは明らかに違和感がある。その違和感は矮惑星(仮)(Dwarf Planet)と新呼称を与えることによって緩和させるつもりらしいが、やはりこれも急に「今日から惑星と呼びましょう」と喧伝しても、一般には受け入れられるには時間がかかると思う。
また、直径の基準により冥王星の衛星カロン(直径1207km)も惑星に昇格することになる。今回の「改正」では一番の成果に思える。そもそもカロン冥王星を軸に廻っているわけではなく、お互いの周りを回りあっているため、二重惑星であると常々指摘されており、矛盾を整合する意味で妥当である。