iPodナノの「発表同時発売」が新ウォークマンの発表と重なったのは、ソニーにとっては大きな誤算だった。同社幹部からは「アップルに事前に情報が漏れた」との恨み節も聞こえる。

何も知らなければ、へーと流してしまいそうだ。iPod nano は発表だけではなく即日全世界同時発売であり、一方 Walkman A は発表だけで発売は2か月先だ。相手に合わせて日程を動かしたのはどちらか、と常識的に考えれば、ソニーが動かしたと考えるのが自然である。
ソースの曖昧なネタを元にして、国内企業であるソニーを善玉に、海外企業のアップルを悪玉に仕立て上げる構図は、ソニーへ同情を集めるためか。国内企業をなんとかして推したい意向は理解できる。しかしフォローのしようがない状況で、苦し紛れにひねり出す姿勢は褒められたものではない。
そもそもソニー幹部の言が真実であれば、事実上の敗北宣言に近い。iPod nano より優れたものを発表すれば、発売までポータブルプレイヤーの買い控えが起きるのは十分期待できるはず。それができなかったと認めてしまったようなものだ。